得する税金のはなし

このブログは、税理士として仕事をする中で気づいたことや役に立つことを分かりやすく書いていきます。

節税とは

今回は、節税についてとりあげます。よく節税したという話を聞きますが、本当に節税になっているのでしょうか。ただ課税を将来に繰り延べただけではありませんか。会社にお金を残すには真の節税と納税も必要です。今日は、このあたりについて書かせていただきます。

 

写真は、私の通勤路である浅野川沿いの夜桜です。記事とはまったく関係がないのですが、きれいだったので載せました。

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それは単なる課税の繰り延べですよ

税理士という仕事をしていると、お客様は節税したと思っていても、単に課税を将来に繰り延べただけだったということによく遭遇します。その代表的なものは保険です。保険は、保険料を支払うことによって、費用にできる分だけ利益が圧縮されますので、確かに当期の法人税は減少します。

 

しかし将来、解約すれば解約返戻金が戻ってくるため、費用にしていた分は解約した期の収益に計上されます。当然、他に何もしなければ収益に計上された期に、いままで減少した分の法人税を支払わなければなりません。これは節税とはいいません。

 

真の節税とは

真の節税とは、税額控除や非課税制度を活用して永久に税の減少効果を享受することです。これには、交際費の非課税枠の活用や賃上げ税制の税額控除などがあります。税理士は、このような真の節税をしっかりと提案し、お客様に適用してもらうことが大切です。

 

毎月の監査業務や決算時、何気ない会話の中でも適用できるような節税策がないか、いつも気をはっています。しかし、税理士は節税を説くだけではなく、納税により、しっかりと会社にお金を残し、これを次の投資に回して会社が成長していくようにアドバイスをすることが必要です。

 

納税の必要性

進んで税金を払いたいという方はいないかもしれませんが、基本的に納税をしなければお金は残りません。当然、お金が残らなければ、どこかで会社の経営が行き詰ってしまいます。利益がでれば法人税がかかりますが、税金で利益のすべてがなくなる訳ではありません。

 

100の利益がでたなら、40を納税して60は手元にのこります。この60を翌期、再投資して、この資本が年数%で回っていけば、10年後には数倍になります。これに対して、保険で課税を繰り延べしただけであれば、利息分を考慮しなければ、1も増えません。

 

まとめ

いかがでしょうか。昨今、損金性の高い法人向けの保険が問題視されていますが、これを機に少し保険の加入を考え直してみてはいかがでしょうか。課税の繰り延べよりも真の節税と納税が企業を長期にわたって存続させるためには必須です。